■Last Update 2006.11.12
■東海旅客鉄道 211系0番台 近郊型直流電車
JR-Central Serise 211-0 |
首都圏の1000番台・3000番台同様東京方先頭車が電動車とした大垣車両区の211系0番台 名古屋にて(2004.10.10) |
概要 |
長らく国鉄近郊型直流電車の主力として活躍した113系・115系は、 1962年・1963年にそれぞれ登場したが、若番車の老朽化とサービスの抜本的な改革を図るべく開発され、 1985年に東海道線・東北線・高崎線に投入された。 ここでは、1986年に東海道線名古屋地区に投入された0番台を紹介する。 製作にあったっては、近郊型の新しいスタンダードとしてふさわしい性能とサービスが求められた他、 省エネルギー・省力化やイニシャルコストの抑制などが重点に置かれた。 車体は近郊型では初めて軽量ステンレスが採用され、 車体幅も車両限界一杯まで拡大されている他、側窓は大型の1枚下降式が採用されている。 前面はFRPで成形され、首都圏に投入された車両は伝統のオレンジとグリーンの帯を側面に巻いているのに対し、 名古屋地区に投入された車両はブルーとホワイトのツートンの帯であったが、後にJR東海標準のオレンジとグリーンの帯に変更されている。 制御方式は界磁添加励磁制御を、ブレーキは電気指令式空気ブレーキを採用。 また台車はボルスタレス台車を採用し、これらは205系と基本フォーマットを共通している他、 1990年代前半まで投入された車両にも影響を与える事となった。 名古屋地区の車両は2M2Tの4連で、性能的には113系と同等とし、最高速度のみ110km/hと向上したが、 後にブレーキ増圧機構を装備し最高速度を120km/hとしている。 車内は0番台がセミクロスシートで、2000番台がロングシートで構成され、 当初は基本編成が0番台、付属編成が2000番台であったが通勤時の輸送需要を考慮し、 1986年以降は基本編成も2000番台とし、グリーン車以外は全てロングシートのみの編成として投入された。 このため0番台はJR東日本に在籍する車両も含め、僅か10連6本と4連2本のみに留まった。 大垣車両区に4連2本のみ在籍。 2006年度に313系3次車が投入される事による転籍も予想されたが、 結局セミクロスシートであることが幸いし、大垣車両区では5000番台が静岡車両区に転籍して以降は唯一残されている211系である。 |
参考 |
■JR東日本 211系0番台・2000番台 211系1000番台・3000番台 ■JR東海 211系5000番台グループ 213系5000番台 311系 ■JR西日本 213系0番台 |
基本組成表 | ||
大垣車両区 | 4両編成 | ←熱海・静岡
クモハ2110-モハ2100-サハ2110-クハ2100 |
■東海旅客鉄道 211系0番台 近郊型直流電車 主要緒元表 |
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クモハ 211-0 |
モハ 210-0 |
サハ 211-0 |
クハ 210-0 |
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車種 | Mc | M' | T | Tc' |
定員(座席定員) | 118(56) | 132(64) | 132(64) | 108(64) |
座席配置 | セミクロスシート | |||
自重(t) | 36.0 | 34.9 | 23.9 | 33.5 |
軌間 | 1,067mm 日本標準軌(狭軌) | |||
電気方式 | DC1500V 架空電車線方式 | |||
構体 | 軽量ステンレス製 | |||
連結面間距離(mm) | 20,000 | 20,000 | 20,000 | 20,000 |
車体長(mm) | 19,579 | 19,519 | 19,519 | 19,579 |
車体幅(mm) | 2,950 | 2,950 | 2,950 | 2,950 |
車体高(mm) | 4,086 | 4,086 | 4,086 | 4,086 |
パンタ折りたたみ高(mm) | 4,140 | − | − | − |
台車中心間距離(mm) | 13,800 | 13,800 | 13,800 | 13,800 |
側引戸 | TK4J 自動 両開き 1300mm 片側3ヶ所 |
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冷房装置 | AU75G 屋根置き形ユニットクーラー方式 (42000kcal/h×1) |
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台車 | DT50B | TR235B | ||
円錐積層ゴム式ウイングバネ軸箱支持 台車直結空気バネ 軽量ボルスタレス台車 |
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軸離(mm) | 2,100 | |||
パンタグラフ | PS21 菱形 1基 |
− | − | − |
主電動機 | MT61(120kW×4) 直流直巻電動機 |
− | − | |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン (歯車比 16:83=1:5.19) |
− | − | |
制御装置 | CS57A 1C8M制御 |
− | − | − |
制御方式 | 直並列抵抗制御 界磁添加励磁制御 |
− | − | |
ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ 抑速・増圧・耐雪・直通予備ブレーキ |
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補助電源装置 | − | DM106 (BLMG) 190kVA |
− | − |
空気圧縮機 |
− | MH3075A-C2000M 2,000(L/min) |
− | − |
行先表示装置 | 行先表示(字幕式 側面) 種別表示(字幕式 前面・側面) |
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情報案内装置 | − | |||
車椅子スペース | − | − | − | − |
便所 | − | − | − | 和式×1 |
性能 | 加速度1.6km/h/s(2M2T) 最高運転速度120km/h | |||
主な運用線区 | ■東海道線(米原〜浜松) | |||
製造初年 (製造メーカー) |
1986年 |
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